簡単には尻尾をつかめず困った案件

仕事や趣味はもちろんのこと生活のあらゆる場面で妥協をしない完璧主義者の方も稀にいるのですが、調査の裏話としてこうした人を対象にした浮気調査では苦労させられることも多く、元探偵も簡単には尻尾をつかめず困ったことがあります。

完璧主義の人は浮気に発展しやすい？

この案件でご相談があったのは奥様からで、旦那さんに浮気の疑いがあるので調べて欲しいとのご要望でした。

ただ詳細な話を聞いてみると、大手商社にお勤めの旦那さんはいわゆるエリートで昔からやること成すこと完璧を求める人らしく、そのことで順当に出世街道を進んでいるそうですが、家でも全く隙を見せないようで証拠になるようなものは何一つないといいます。

調査の裏話として一見するとまじめそうな方でもやたらと肉食な方も多くいるもので、表面的な部分では判断しづらくても実際に浮気調査をするととんでもない人物であることが露見することも往々にしてあります。

ただ完璧な旦那さんもある時ポケットにリップが入っているのを奥様に発見されてしまい、その日は付き合いで呑んでいたのでクラブの女性のものが紛れ込んだのだろうと話していたのですが、奥様からすれば同じ女性としてどう転んでも男性にポケットにリップが紛れ込むわけもなく、これは夫が浮気をしていると共に浮気相手からの挑発なのではないかと疑ったといいます。

奥さまはすぐに旦那さんの身の回りを調べてみたものの他で怪しい部分は無く、ただこのままスルーするわけにもいかないので浮気調査をお願いしたいとの事でした。

浮気に関する情報が皆無の中で調査を開始したのですが、あらかじめ奥様から聞いていた連日の残業は本当のことで、1週間調べたところで特にあやしい点が見つかることはありませんでした。

しかし接待で使うクラブに関してはいつも同じ所を利用しており、何度か探偵もクラブ内に潜入した所、接待中にホステスの一人と周囲に見えないようにサインを送り合っていることを発見します。

店での情報収集では旦那さんは上得意の一人で、接待だけでなく自身が遊ぶ際にも頻繁に訪れているようで、No,2のホステスとはアフターを繰り返して店内では噂になっているとの事でした。

こうしたパターンもよくあるもので、奥様との協議の結果もう1週間調査を延長したところ、噂どおりにアフターで連れ立って遊びホテルに入る姿を確認することができました。

またホテルを出て帰宅する道すがら深夜営業の量販店で無香料の消臭スプレーを購入し、駅のトイレ内で服の中にスプレーを差し入れ臭いを消しつつ領収書をゴミ箱に捨てており、完璧さを求める姿に思わず感服しました。